原尞著作目録

現存の直木賞受賞作家のなかで、著作目録をつくるのが容易な作家、といえば原尞だろう。

なにしろ「死ぬまでに書く小説の数はそらで題名を全部言えるくらいにしておきたい」と公約しているぐらいの方である。今後も著作が一気に増える心配はないにちがいない。

ただ、さすがにwikipediaに載っているリストでは寂しすぎる。不完全であることを承知のうえで、もう少しだけ詳しく著作目録をまとめておく。

『そして夜は甦る』

『私が殺した少女』

  • 平成1年/1989年10月・早川書房刊(書き下ろし)
  • 〔文庫化〕平成8年/1996年4月・早川書房/ハヤカワ文庫JA
    • 「ある男の身許調査」〔文庫版のみ〕(『オール讀物』平成2年/1990年3月号より改訂収録)

『天使たちの探偵』

  • 平成2年/1990年4月・早川書房
  • 〔文庫化〕平成9年/1997年3月・早川書房/ハヤカワ文庫JA
    • 「少年の見た男」(『ミステリマガジン』昭和63年/1988年4月号)
      • 『昭和ミステリー大全集』(下巻)平成3年/1991年3月・新潮社/新潮文庫
    • 「子供を失った男」(『ミステリマガジン』昭和63年/1988年6月号)
      • 『現代の小説1989』平成1年/1989年5月・徳間書店
    • 「二四〇号室の男」(『ミステリマガジン』昭和63年/1988年9月号)
      • 推理小説代表傑作集1989年版』平成1年/1989年5月・講談社
      • 『頭脳明晰、特技殺人 ミステリー傑作選24』平成5年/1993年4月・講談社講談社文庫
    • 「イニシアル“M”の男」(『ミステリマガジン』平成1年/1989年9月号)
    • 「歩道橋の男」(『ミステリマガジン』平成2年/1990年1月号)
    • 「運ばれる男」(書き下ろし)
    • 「探偵志願の男」〔文庫版のみ〕

『さらば長き眠り』

  • 平成7年/1995年1月・早川書房刊(書き下ろし)
  • 〔文庫化〕平成12年/2000年12月・早川書房/ハヤカワ文庫JA
    • 「死の淵より」〔文庫版のみ〕

『ミステリオーソ――映画とジャズと小説と』

以下単行本は[単]、文庫版『ミステリオーソ』は[ミ]、同『ハードボイルド』は[ハ]と略す

  • 平成7年/1995年6月・早川書房
  • 〔文庫化・分冊〕『ミステリオーソ――エッセイ・対談』平成17年/2005年4月・早川書房/ハヤカワ文庫JA
  • 〔文庫化・分冊〕『ハードボイルド――エッセイ・対談・短篇』平成17年/2005年4月・早川書房/ハヤカワ文庫JA
    • はじめに〔[単]のみ→[ミ]と[ハ]にはそれぞれ別原稿の無題の文が目次の前につく〕
    • 飛ばない紙ヒコーキ(『西日本新聞』平成2年/1990年7月28日〜9月23日〈火〜日曜日〉連載)〔[単]→[ミ]〕
      • 紆余曲折
      • 西鉄か読売か
      • 未知の世界へ
      • 忘れている読書
      • 時代劇中毒
      • 家出未遂
      • 中学時代の長靴
      • ジャズ・ブーム
      • 想像力の死
      • 電話の効用
      • 学校をサボって観た映画
      • 親のいらだち
      • ピアノに転向する
      • 敬称略
      • あるコンテスト
      • 絵心なし
      • 研究室周辺
      • ジャズの誘惑
      • バンドマン志願
      • コルトレーンの死
      • 雨の中の弁論
      • 六十日のサラリーマン
      • レコード作りへの未練
      • 大江健三郎氏との電話
      • ジャズ・ピアノの日々
      • 映画を創る人たち(書き下ろし)
      • 文庫本に救われる
      • 彷徨えるニュー・ジャズ
      • ピアノ泥棒
      • フィルム・ノワール
      • わがピアノを労う
      • ニュー・ジャズ・シンジケート
      • 〈黒澤プロ〉の看板
      • 助監督は人にあらず
      • 自主製作レコード
      • 日本語字幕
      • シナリオ修業
      • ウサギは野を駆ける
      • 言い出しかねて
      • 趣味の変化
      • ミステリ再読
      • 十年間の無駄
      • 待機のとき
      • 私が殺した少女
      • 大竹九段に会う(書き下ろし)
      • 受賞のことば
      • レイモンド・チャンドラー
      • 飛ばない紙ヒコーキ
    • 観た 聴いた 読んだ(『佐賀新聞』平成2年/1990年7月23日〜平成3年/1991年1月14日〈毎週日曜日〉連載)〔[単]→[ミ]〕
    • トレンチ・コートの男たち〔[単]→[ミ]〕
      • ハンフリー・ボガートの魅力(『ザ・ビッグマン』平成3年/1991年1月号「ハッピー・エンドの似合わない男」を改題)
      • ジャン・ギャバンの魅力(『読売新聞』平成6年/1994年1月19日)
      • 『父よ』を観る(フランス映画『父よ』パンフレット 平成14年/2002年6月29日)〔[ミ]のみ〕
    • 作家たちについて〔[単]→[ハ]〕
      • “マクシム少佐シリーズ”の魅力(平成5年/1993年6月15日・早川書房/ハヤカワ文庫 ギャビン・ライアル・著『影の護衛』)
      • 『暗い落日』のこと(平成3年/1991年1月15日・講談社講談社文庫 結城昌治・著『暗い落日』)
      • ハードボイルド雑感(平成2年/1990年5月15日・早川書房刊 ロバート・B・パーカー補作『プードル・スプリングス物語』)
      • ドストエフスキイとの接触(平成2年/1990年5月23日・集英社刊『世界の文学』月報 ドストエフスキイ罪と罰』)
      • ジョー・リープホーン警部補との再会(平成7年/1995年7月31日・早川書房/ハヤカワ文庫 トニイ・ヒラーマン・著『死者の舞踏場』)〔[ハ]のみ〕
      • 親愛なるリューイン(平成8年/1996年8月31日・早川書房/ハヤカワ文庫 マイケル・Z・リューイン・著『季節の終り』)〔[ハ]のみ〕
      • 四つの名前をもっている三つの物語(平成15年/2003年7月15日・早川書房刊 デイヴィッド・グーディス・著『狼は天使の匂い』)〔[ハ]のみ〕
      • ウールリッチと私(平成14年/2002年9月30日・白亜書房刊『コーネル・ウールリッチ傑作短篇集1/砂糖とダイヤモンド』)〔[ハ]のみ〕
      • あの日のロス・トーマス(平成11年/1999年5月31日・早川書房/ハヤカワ文庫 ロス・トーマス・著『五百万ドルの迷宮』)〔[ハ]のみ〕
      • ロス・トーマスの魅力(『ミステリマガジン』平成8年/1996年12月号)〔[ハ]のみ〕
      • 生粋の小説家シムノン(平成12年/2000年5月2日・河出書房新社河出文庫 ジョルジュ・シムノン・著『モンマルトルのメグレ』)〔[ハ]のみ〕
    • ジャズについての四つの断章〔[単]→[ミ]「ジャズについての六つの断章」〕
      • セロニアス・モンク雑感(平成4年/1992年11月27日『モンク・プレイズ・エリントン』〈WAVEライナーノート〉)
      • 『マネー・ジャングル』(『スイング・ジャーナル』昭和63年/1988年10月号)
      • マイルズ・デイヴィスの死(『毎日新聞』平成3年/1991年10月27日)
      • ヘソ曲がりの説(『ピアノの本』平成2年/1990年9月号)
      • ケニー・バレルを聴く(『日本経済新聞』平成8年/1996年10月6日)〔[ミ]のみ〕
      • サントラ盤『狼は天使の匂い』(『ミステリマガジン』平成13年/2001年2月号)〔[ミ]のみ〕
    • 視点(『毎日新聞』平成3年/1991年1月9日〜3月27日〈毎週水曜日〉連載)〔[単]→[ミ]〕
      • 読者としての眼
      • 木造三階の家
      • 美しさの基準
      • 歳暮にくばる音楽
      • 観たいフランス映画
      • 日記の効用
      • ジャズの受容
      • タバコ遍歴
      • 見識のない作家
      • 祭りの装束
      • 子供の躾け
      • 政治嫌いの選挙(『小説non』平成6年/1994年4月号「至芸の最下位当選」を改題)
      • 老化する視点
    • 小説を書くということ〔[単]→[ハ]〕
      • 読者として 作家として(平成5年/1993年8月31日・早川書房刊『ハヤカワ・ミステリ総解説目録1953年―1993年』)
      • り・よ・う(『西日本新聞』平成1年/1989年1月6日)
      • それらしい登場人物(『小説non』平成2年/1990年2月号)
      • ひとつの名科白(『ミステリマガジン』平成5年/1993年1月号)
      • 受賞以後(『時事通信社』平成2年/1990年4月配信「直木賞以後」を改題)
      • 映画化、TVドラマ化のこと(『オール讀物』平成4年/1992年2月号)〔[ハ]では「映画化、テレビドラマ化のこと」〕
      • 私の散歩道(『毎日新聞』平成2年/1990年10月4日)
      • 考え違い(『宝石』平成4年/1992年12月号)
      • 著作と年齢について(『野性時代』平成5年/1993年5月号)
      • 想像(『日本経済新聞』平成4年/1992年7月4日〈最初の記憶〉)
      • 執筆儀式――儀式としての執筆(『オール讀物』平成6年/1994年2月号)〔[ハ]では「儀式としての執筆」〕
      • 第三長篇の周辺(『西日本新聞』平成5年/1993年9月26日)
      • あるミスマッチ(『潮』平成6年/1994年5月号)
      • 小説そのもの(平成6年/1994年9月『探偵進化論』〈ハヤカワ文庫・ハメット生誕100年ハードボイルド・フェア解説目録〉)
      • 小説の題名について(『西日本新聞』平成7年/1995年3月7日・8日)
      • 「文庫」の質について(『週刊読書人』平成9年/1997年8月1日)〔[ハ]のみ〕
      • イメージの馬(『サラブレッド』平成11年/1999年3月号)〔[ハ]のみ〕
      • 「お客様の声」へ(『賑わい』〈佐賀県商工労働部金融商業課〉平成6年/1994年3号)〔[ハ]のみ〕
      • ポケミス街で拾ったもの(平成10年/1998年10月15日・早川書房刊『ハヤカワ・ミステリ総解説目録1953年―1998年』→『ミステリマガジン』平成15年/2003年5月号)〔[ハ]のみ〕
      • 青い鳥で平和を灰に(『歴史群像』別冊『アルゴ』平成12年/2000年7月盛夏号)〔[ハ]のみ〕
      • 志ん生の落語(『別冊文藝春秋』平成10年/1998年春号)〔[ハ]のみ〕
      • 蒐める(『図書』平成14年/2002年5月号→平成15年/2003年12月19日・岩波書店刊『動詞的人生』)〔[ハ]のみ〕
      • 十才年下の大先輩(『ミステリマガジン』平成17年/2005年1月号)〔[ハ]のみ〕
      • サインおよびサイン会のこと(『小説新潮』平成17年/2005年1月号)〔[ハ]のみ〕
    • 〈未発表初期短篇〉〔[単]→[ハ]「文庫・単行本未収録短篇」〕
      • 番号が間違っている(昭和63年/1988年初頭執筆・未発表)
      • 監視される女(『ミステリマガジン』平成7年/1995年11月臨時増刊号)〔[ハ]のみ〕
    • 小説以外の沢崎シリーズ〔[単]→[ハ]〕
      • マーロウという男(昭和63年/1988年9月15日・早川書房刊『レイモンド・チャンドラー読本』→平成7年/1995年4月15日・早川書房/ハヤカワ文庫『そして夜は甦る』に改訂収録)
      • ある男の身許調査(『オール讀物』平成2年/1990年3月号→平成8年/1996年4月15日・早川書房/ハヤカワ文庫『私が殺した少女』に改訂収録)
      • 探偵志願の男(平成9年/1997年3月15日・早川書房/ハヤカワ文庫『天使たちの探偵』)〔[ハ]のみ〕
      • 死の淵より(平成12年/2000年12月15日・早川書房/ハヤカワ文庫『さらば長き眠り』)〔[ハ]のみ〕
      • 〈附録〉〔[ハ]では〈附録〉表記が省かれる〕
        • 来年の抱負ならあるぜ(『佐賀新聞』平成1年/1989年1月1日〈新年の抱負〉)
        • この仕事から逃れられない(『佐賀新聞』平成2年/1990年1月1日〈新年の抱負〉)
        • 人の仕事の話をネタに……(『佐賀新聞』平成3年/1991年1月1日〈新年の抱負〉)
        • なにが自慢のタネか(『佐賀新聞』平成17年/2005年1月3日〈新年の抱負〉)〔[ハ]のみ〕
    • ジャズを愉しむ(『道』平成8年/1996年7月夏号、10月秋号、平成9年/1997年1月冬号、4月春号連載)〔[ミ]のみ〕
    • 同級生おじさん対談(中村哲)(『毎日新聞』平成17年/2005年1月6日、7日)〔[ミ]のみ〕
    • レイモンド・チャンドラー頌〔[ハ]のみ〕
      • レイモンド・チャンドラー(『朝日新聞』平成8年/1996年12月20日〈20世紀の古典〉)
      • 私の好きなミステリ・シリーズ(九州ミステリ・クラブ『会報』No.0 平成6年/1994年4月2日)
      • 『長いお別れ』の魅力(平成12年/2000年10月20日早川書房/ハヤカワ文庫『海外ミステリ・ベスト100』)
      • 三六〇冊のポケット・ミステリ(平成10年/1998年10月15日・早川書房刊『ハヤカワ・ミステリ総解説目録1953年―1998年』)
      • 本棚に納まっていない本(平成12年/2000年9月『エンターテインメント新世紀』〈ハヤカワ文庫創刊30周年フェア解説目録〉)
      • シナリオ『深夜の告白』のこと(『本の窓』平成12年/2000年9・10月合併号)
    • ハードボイルド対談(船戸与一)(『エスクァイア日本版』平成7年/1995年9月号)〔[ハ]のみ〕
    • 初出一覧〔[単]のみ〕
    • 索引〔[単]のみ〕
    • 編集ノート(編集部S)〔[ミ]のみ〕
    • 編集ノート(編集部S)〔[ハ]のみ〕

『愚か者死すべし』

  • 平成16年/2004年11月・早川書房刊(書き下ろし)
  • 〔文庫化〕平成19年/2007年12月・早川書房/ハヤカワ文庫JA
    • 「帰ってきた男」〔文庫版のみ〕