2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧

長沢巌『おおぞらに向かって』に描かれた日吉早苗

第23回(昭和25年/1950年下半期)の候補者、日吉早苗は、それからわずか2年ほど後、亡くなった。日吉といえば、まず何より親友の山本周五郎、あるいは教え子だった小沼丹による回想文でも知られる。日吉の息子、長沢巌は長じて牧師となり、また障碍者施設「…

河内仙介「時計と賞金」(『別冊文藝春秋』30号昭和27年/1952年10月)

直木賞(と芥川賞)の受賞者は、しばしば、受賞時の回想や賞金の使い道などを、書かされてきた。「直木賞○周年記念」と銘打たれた文藝春秋の雑誌では、よく、その記事を見かける。『別冊文藝春秋』昭和27年/1952年10月発行の号は、30号記念号で、直木賞・芥…