『オール讀物』の直木賞受賞者による自伝エッセイ一覧

直木賞の発表媒体は文藝春秋の『オール讀物』である。

発表号には、受賞のことば、選考委員による選評が載るほか、昭和30年代40年代ごろからは受賞作(全文掲載か、抄録)が掲載されるのが通例となった。

また、その他、受賞者にまつわるいくつかの記事が載る。

現在では、受賞者による自伝エッセイ、ゆかり深い人との対談、も併載されるのが一般的。ただ、こうなった歴史はそれほど古くない。

以下、『オール讀物直木賞発表号に、受賞者の自伝エッセイが定常的に載るようになった第95回(昭和61年/1986年上半期)以降の、関連記事一覧をまとめた。

ちなみに「自伝エッセイ」を採用しはじめたのは、藤野健一・編集長のときからである。

注)「自伝エッセイ」は、「受賞者が語る直木賞受賞までの軌跡」という副題が付くのが普通だが、ときおり「受賞者が綴る直木賞受賞までの人生」と付けられたことがあった。一覧では、以下の略称で表す。
 【自伝・語】自伝エッセイ―受賞者が語る直木賞受賞までの軌跡
 【自伝・綴】自伝エッセイ―受賞者が綴る直木賞受賞までの人生
注)第94回(昭和60年/1985年下半期)は、受賞者による受賞第一作が載っていた。ただ、森田誠吾林真理子とも、受賞にいたるまでの私小説的な内容の短篇だった。

昭和61年/1986年

昭和62年/1987年

  • 4月号(第96回)
    • 逢坂剛「しばし、ふらめん考」(自伝エッセイ)
    • 常盤新平「“晩稲ソルジャー”駆けつけの記」(自伝エッセイ)
  • 10月号(第97回)

昭和63年/1988年

  • 4月号(第98回)
  • 10月号(第99回)
    • 西木正明「放蕩放浪の果てに」【自伝・語】
    • 景山民夫「怪屋の怪人」【自伝・語】
    • 西木正明×景山民夫「新直木賞作家大いに語る 小説の冒険家をめざそう」(対談)

平成1年/1989年

  • 3月号(第100回)
    • 藤堂志津子「さようなら、パブリックセンター」【自伝・語】
    • 藤堂志津子「「おめでとうございます」の知らせに、一瞬、頭の中は真っ白。」(賞前賞後ダイアリー)
    • 杉本章子「曲がり角の男」【自伝・語】
    • 杉本章子「夢中で書きつづけること。賞に応える道はこれだけだ。」(賞前賞後ダイアリー)
  • 9月号(第101回)
    • 笹倉明「ねばり腰で二つの賞」【自伝・語】
    • 笹倉明「受賞はマラソンの折り返し点。残り二十キロをどう走るか」(賞前賞後ダイアリー)
    • ねじめ正一「シャレ帳と店番のあいだで」【自伝・語】
    • ねじめ正一「もっともっと「わからない」モノ書きにならなくては……」(賞前賞後ダイアリー)

平成2年/1990年

  • 3月号(第102回)
    • 星川清司「幸運と不運が綯い交ぜで」【自伝・語】
    • 星川清司「候補になっただけで、もうこのうえなしの心もちだったのに…」(賞前賞後ダイアリー)
    • 原〔リョウ〕「ある男の身許調査―渡辺探偵事務所のファイルより―」【自伝・語】
    • 原〔リョウ〕「記念にセロニアス・モンクのプレステッジ原盤を購入、甚だ高価なり」(賞前賞後ダイアリー)
  • 9月号(第103回)
    • 泡坂妻夫「上絵師になるまで」【自伝・語】

平成3年/1991年

  • 3月号(第104回)
    • 古川薫「最多候補・最高齢の完走」【自伝・語】
    • 白石一郎×古川薫「直木賞受賞の瞬間」(特別対談)
  • 9月号(第105回)

平成4年/1992年

平成5年/1993年

平成6年/1994年

  • 3月号(第110回)
  • 9月号(第111回)

平成7年/1995年

  • 3月号(第112回)…受賞作なし
  • 9月号(第113回)

平成8年/1996年

  • 3月号(第114回)
  • 9月号(第115回)

平成9年/1997年

  • 3月号(第116回)
  • 9月号(第117回)
    • 篠田節子「ジャンルを超えた作家でいたい」(インタビュー聞き手:星敬)
    • 浅田次郎「かくも長き愉悦のボツ人生の末に」(インタビュー・構成:編集部)

平成10年/1998年

  • 3月号(第118回)…受賞作なし
  • 9月号(第119回)
    • 車谷長吉「九年間の世捨人生活が鍛えた「小説への覚悟」」(インタビュー・構成:編集部)
    • 高橋義夫×車谷長吉「作家稼業はやくざ剣法」(特別対談)

平成11年/1999年

平成12年/2000年

平成13年/2001年

  • 3月号(第124回)
    • 山本文緒「愛憎のイナズマ」【自伝・語】
    • 山本文緒「一生、恋愛心理を書いてゆく」(インタビュー・構成:浜野雪江)
    • 重松清「「早稲田文学」のこと」【自伝・語】
    • 重松清「いつだってテーマは人とのつながり」(インタビュー・構成:編集部)
  • 9月号(第125回)
    • 藤田宜永「母親の顔」【自伝・語】
    • 小池真理子×藤田宜永「「あなたといることで、私は私を知ったの」「あの時でも、別居なんて考えもしなかった」」(記念夫婦対談)

平成14年/2002年

  • 3月号(第126回)
  • 9月号(第127回)
    • 乙川優三郎「残したい情景、残したくない自分」(インタビュー・構成:編集部)

平成15年/2003年

  • 3月号(第128回)…受賞作なし
  • 9月号(第129回)
    • 村山由佳「変わりながら変わらずにあるもの」(インタビュー・構成:編集部)
    • 石田衣良「一九九六年四月、牡羊座の運勢は」(インタビュー・構成:編集部)

平成16年/2004年

  • 3月号(第130回)
    • 江國香織「恋愛は無敵だと書きたい私としては」(インタビュー・構成:編集部)
    • 京極夏彦「やっぱり、日本的なものが好きなんです」(インタビュー・構成:編集部)
  • 9月号(第131回)
    • 奥田英朗奥田英朗がドクター伊良部を訪ねたら」(記念架空対談)
    • 熊谷達也「わがままであまのじゃく」【自伝・語】
    • 熊谷達也×大滝国吉「山の神さまに感謝を捧げて」(記念対談)

平成17年/2005年

  • 3月号(第132回)
    • 角田光代「書くこと、旅すること」【自伝・語】
    • 角田光代「幾人もの手が私をいくべき場所へと運ぶ」(旅のエッセイ傑作選)
    • 長嶋有×角田光代「通じない言葉のいとおしさ」(記念対談)
  • 9月号(第133回)

平成18年/2006年

  • 3月号(第134回)
    • 東野圭吾「楽しいゲームでした。みなさんに感謝!」【自伝・語】
    • 京極夏彦×東野圭吾「読者サービスに終わりはない」(記念対談)
    • 千街晶之「全58作品「東野ワールド」読書案内」
  • 9月号(第135回)

平成19年/2007年

平成20年/2008年

平成21年/2009年

平成22年/2010年

  • 3月号(第142回)
    • 佐々木譲「卵の殻のむけるまで」【自伝・語】
    • 逢坂剛×佐々木譲「書くことは、いっぱいある」(記念対談)
    • 白石一文「何もかも全部、小説のせい」【自伝・語】
    • 久田恵×白石一文「編集長になりたかった」(記念対談)
  • 9月号(第143回)

平成23年/2011年

  • 3月号(第144回)
  • 9月号(第145回)